COLUMN コラム

ナーシングで働く児発管・サビ管の思い
ナーシング有松校 2020.11.20

「それやっちゃだめ!」って、実は逆効果? ちょっと視点が変わる、療育成功のイチ事例

「それやっちゃだめ!」って、実は逆効果? ちょっと視点が変わる、療育成功のイチ事例

A君は、家でも学校でも放課後等デイサービスでも、どこでも高い所に登ります。
プラスチックのカラーボックスや不安定な箱の上にも登るため危険であり、いつも注意され、その度に癇癪を起しパニックになっていました。

私は、登ってはいけない物に登って注意することはしません。むしろ、登ってはいけない物を置きません。
A君は感覚刺激を求めて高い所に登るのです。脳から高い所に登ってと指令が出ている状態なのです。止めるのは寧ろ逆効果です。

ですので、保護者様にご説明の上、個別支援計画に記載し、相談支援専門員の方にも説明をした上でタンスに登る許可をしました。
実際には、
①タンスを補強し安全面に配慮を行った。
②自由時間のみ登って良い(活動時間などは登らない)。
③登っていいのは、私が管理責任者をしている事業所のみ。
④他の放課後等デイサービスや学校、家庭で登った日は、私が管理責任者をしている事業所では登れない。
⑤特に感覚刺激を欲する日は、安全に前庭感覚が入力されるよう公園にて安全に遊ぶ。
以上のルールも設定しました。

この支援に半信半疑であった保護者様や相談支援専門員さんでしたが、3ヵ月程経ったころ、相談支援専門員さんから「〇〇デイサービスにモニタリングに行ったんですけど、児発管(お子様の支援計画を作る責任者)さんから『A君、ここ1か月前くらいからカラーボックスや危ないところに登らなくなったんですよね~。騒がしいとまだ登りますけど。』と、言われたんですよ。でも、今、見ていたらここのタンスには登ってますね(笑)」そして、保護者の方からも「最近、Aは家で高い所に結構登らなくなってきましたよ。」と。

今までは、感覚刺激を求めて高い所に登り、注意されパニックになってたA君ですが、ルールを守った上で、支援者の見守りの元で登ることができ、安全に前庭感覚が入力されるようになったことで、一般的に登っては危ない場所に登ることが減少しました。

もちろん、こちらはイチ事例にはなりますが、どんな利用者様に対しても、本質的に求めていることを推察・尊重しながらできる限りの支援することで、得られる結果は大きく変わる可能性を秘めていると、今までの知見、経験からも強く感じています。
ナーシングでも発達特性を理解した上で、安全に配慮し個別支援を行ってまいります。

ナーシング有松校では、11月23日(月・祝)と26日(木)の10時〜17時に、受給者証をお持ちのお子様と保護者様を始めとする ご関係者様へ、内覧会を開催予定です。
ナーシング有松校の1階は、光と風がとてもよく入る施設で、お子様にとっても心地のいい環境作りを目指しています。
ぜひお子様とご一緒に、どんな環境なのか確かめに来てください。

ご不明な点やご不安・ご心配な点は、内覧会や初回面談の際にも、遠慮なく直接お尋ねくださいね。