COLUMN コラム

療育お役立ち
広報 2026.02.26

受給者証とは?放課後等デイサービスの取得・申請方法と発行の流れを解説

受給者証とは?放課後等デイサービスの取得・申請方法と発行の流れを解説

「受給者証」という言葉を耳にしたとき、何か大きな決断をしなければならないような気持ちになった方もいらっしゃるのではないでしょうか。大切なお子さまのために「できることはしてあげたい」という想いがあっても、申請することで何かが変わってしまうのではないかと、踏み出せずにいる保護者様は少なくありません。

受給者証とは、お子さまが必要な支援を受ける権利を手にするための証明書です。障害のあるお子さまだけでなく、グレーゾーンや診断前の段階でも申請できるケースがあります。

この記事では、受給者証の基本的な概要から申請の流れ、よくある不安への答えまでを丁寧にお伝えします。読み終えた後に「もう少し調べてみよう」「一度相談してみよう」と思っていただけたら、私たちナーシングはとても嬉しく思います。

受給者証を申請することへの不安と疑問に答える

「うちの子に受給者証は必要なのかな」と迷っている保護者様は、きっと多いのではないでしょうか。ここでは、申請にまつわる情報を、わかりやすくお伝えします。

受給者証とは何か、種類と基本的な仕組み

受給者証とは、お子さまが公費で福祉サービスを利用するための証明書です。

児童発達支援や放課後等デイサービスを利用する際に必要となるのは「通所受給者証」です。種類はサービスによって異なるため、まずは自治体の窓口に確認してみることをおすすめします。

療育手帳と受給者証はどう違うのか

「療育手帳と何が違うの?」——よく聞かれる疑問です。療育手帳(※愛護手帳など、自治体により名称が異なる場合がある)は知的障害の程度を証明する手帳です。受給者証はサービスを利用するための証明書であり、役割がそれぞれ異なります。

療育手帳と受給者証(通所)の違い
比較項目 療育手帳 受給者証(通所)
発行主体 都道府県・政令指定都市 市区町村
目的 知的障害の程度を証明し、各種福祉サービスや割引を受けやすくする 児童発達支援や放課後等デイサービスなどの障害児通所支援を利用するための証明書
取得に必要なもの 児童相談所または知的障害者更生相談所での知的障害の判定 申請書、支援利用計画案、障害を示す書類(手帳・診断書・意見書など)※手帳がなくても申請可
有効期限 再判定の期日あり(自治体・年齢により2~10年ごと。成人後は永久認定の場合も) 原則1年(毎年更新が必要)
利用できるサービス例 公共交通機関の割引、税金控除、医療費助成、障害者雇用枠での就労 など 児童発達支援、放課後等デイサービス、保育所等訪問支援 など(利用料の9割を自治体が負担)
※ 詳細な要件や手続きは自治体によって異なります。最新情報はお住まいの市区町村窓口にご確認ください。

グレーゾーンや診断前でも申請できるのか

「まだ診断が出ていないから、うちには関係ないかも」と感じている保護者様もいらっしゃるかもしれません。実は、グレーゾーンのお子さまも、受給者証を申請できる場合があります。

自治体によっては、「医師の意見書」と「障害児支援利用計画案」の提出で申請ができることがあります。利用計画書案は、お住まいの相談支援事業所に依頼して作成してもらうことも可能です。自治体により異なる場合がありますので、まずは自治体の窓口へ相談してみてください。

申請すると学校や保険に影響があるのか

「申請したら学校での扱いが変わるのでは」と感じられる方もいらっしゃるかもしれません。実際には、自治体から学校側に受給者証の情報が自動的に通知される仕組みはありません。

受給者証の取得情報が保険会社に自動通知されることもありません。申請は、お子さまが必要な支援サービスを受けるための手続きであり、日常生活を制限するものではないのです。なお、生命保険等への新規加入時には告知義務がありますので、詳しくは各保険会社にご確認ください。

受給者証の申請方法と発行までの流れを確認しよう

「何から始めればいいかわからない」という保護者様に向けて、ここでは申請の全体像を整理しています。流れを知るだけで、最初の一歩がずっと踏み出しやすくなるはずです。

申請に必要な書類と事前に準備するもの

受給者証の申請では、いくつかの書類を用意する必要があります。必要なものはお住まいの自治体によって異なりますが、事前に把握しておくと手続きがスムーズに進みます。

一般的に必要となるのは、申請書・医師の診断書または意見書・サービス等利用計画案の3種類です。加えて、お子さまの健康保険証や保護者様の身元証明書、障害の状況を確認できる証明書類なども必要になる場合があります。

サービス等利用計画案は、相談支援事業所に作成を依頼できます。自治体の担当窓口に問い合わせると相談支援の専門家を紹介してもらえることも多いので、一人で抱え込まずに活用してみてください。

施設見学から受給者証発行までの流れ

施設見学から手元に受給者証が届くまでの流れを、時系列で確認しておきましょう。「こんな順番で進むんだ」と知っておくだけで、気持ちがずいぶん楽になるはずです。

まず気になる事業所の見学を行い、利用したい施設を決めてから申請に進む方法が一般的です。次に、お住まいの市区町村の障害福祉課などの窓口に申請書類を提出し、自治体による審査・支給量の決定を経て、通所受給者証が交付されます。申請から発行まで、おおむね1〜2ヶ月程度かかることが多いため、余裕を持って手続きを進めることをおすすめします。

大まかな流れは次の6ステップです。①事業所の見学・相談 → ②窓口への相談・申請書類の確認 → ③必要書類の準備・サービス等利用計画案の作成依頼 → ④申請書類の提出 → ⑤自治体による審査・支給量の決定 → ⑥受給者証の交付・事業所との契約・サービス利用開始

受給者証が発行されたら、いよいよ児童発達支援や放課後等デイサービスなどの通所支援を正式に利用できるようになります。

施設見学から受給者証発行までの流れ
1
見学・相談
気になる事業所を見学し、お子さまに合う施設を選ぶ
2
窓口への相談
市区町村の障害福祉課で申請書類を確認する
3
書類の準備
必要書類を揃え、利用計画案の作成を依頼する
4
申請書類の提出
窓口に申請書類一式を提出する
5
審査・支給決定
自治体が審査を行い、支給量を決定する
6
交付・利用開始
受給者証が届いたら契約を結び、サービス利用開始
※ 申請から発行までおおむね1~2ヶ月程度かかることが多いため、余裕を持った手続きがおすすめです

支給量と負担上限月額の決まり方

費用や利用日数について不安を感じている保護者様も多いのではないでしょうか。支給量とは、受給者証に記載される「1ヶ月に利用できる日数の上限」のことです。お子さまの状況や必要な支援の程度をもとに、自治体が審査を行い決定します。

利用者負担は原則として費用の1割であり、世帯の収入に応じた負担上限月額が設定されています。生活保護世帯や市町村民税が課税されていない世帯は0円(無料)、市町村民税課税世帯でも所得割額が28万円未満(一般1)であれば月額4,600円、所得割額が28万円以上(一般2)の世帯は月額37,200円が上限です。

なお、収入を問わず、3〜5歳のお子様は(利用者負担額の)無償化対象になっていることがあります。ただし、利用者負担とは別に、おやつ代や実費の活動費が発生することがありますので、利用希望の事業所に費用の詳細はお問い合わせください。

利用者負担は、経済的な事情に配慮した仕組みになっているため、詳しい区分は窓口または各自治体のホームページでご確認ください。

世帯収入と負担上限月額の一覧
利用者負担は原則1割ですが、世帯の収入に応じた月額上限が設定されています
区分 世帯の収入状況 負担上限月額
生活保護 生活保護受給世帯 0円
低所得 市町村民税非課税世帯 0円
一般1 市町村民税課税世帯所得割額28万円未満(年収約890万円以下) 4,600円
一般2 市町村民税課税世帯所得割額28万円以上(年収約890万円超) 37,200円
※ 上記は障害児通所支援(放課後等デイサービス等)の負担上限月額です。児童発達支援は無償化対象となっていることがあります。 ※ 年収目安は3人世帯(主たる生計維持者+配偶者+当該児童)の場合です。 ※ 詳しい区分はお住まいの自治体窓口またはホームページでご確認ください。

有効期限と更新手続きの方法

受給者証には有効期限があります。「更新を忘れてしまったら」という不安を感じる保護者様もいらっしゃるかもしれませんが、手続き自体はそれほど複雑ではありません。

有効期限は原則として1年以内で設定され、自治体によって異なります。期限が近づくと、多くの自治体から更新の案内が届くため、記載されている期間を確認しながら余裕を持って準備を進めましょう。更新をしそびれてしまった場合、利用料が全額自己負担になってしまう可能性があるため、ご留意ください。

更新手続きは、初回申請と同様に窓口への書類提出が必要です。サービス等利用計画の見直しも併せて行われるため、担当の相談支援専門員へ事前に連絡しておくとスムーズに進みます。有効期限が切れてしまった場合も、窓口に相談することで対応できる場合があります。まずは担当窓口に電話でご確認ください。

受給者証を取得した先に広がるお子さまの可能性

受給者証を取得した先には、お子さまの毎日に新しい可能性が広がっています。支援を受け始めたらどんな変化があるのかと、期待を感じている保護者様もいらっしゃるのではないでしょうか。ここでは、通所支援を利用し始めた後の変化や放課後等デイサービスの選び方、申請前の相談についてお伝えします。

受給者証があるとお子さまの生活はどう変わるか

受給者証を取得すると、放課後等デイサービスをはじめとした通所支援を利用できるようになります。

専門的なサポートを受ける中で、お子さまの「できた」が少しずつ積み重なり、毎日に楽しさと自信が育まれていきます。利用者負担は原則1割と定められており、世帯の住民税課税状況に応じた上限月額も設けられているため、費用面でも安心して支援を検討していただける仕組みです。

児童発達支援・放課後等デイサービスを選ぶ際のポイント

事業所を選ぶとき、何を基準にすればよいか迷う保護者様も多いのではないでしょうか。

施設の雰囲気やスタッフとお子さまの関わり方、支援の内容や活動の種類、保護者様が気軽に相談できる環境かどうかも大切な視点です。まずは実際に見学して、肌で感じてみることをおすすめします。

児童発達支援・放課後等デイサービス 見学チェックリスト
見学時にチェックを入れながらご活用ください
1スタッフの関わり方
2施設の雰囲気
3相談のしやすさ
4活動内容
5利用時間・送迎

申請前の段階からナーシングに相談できること

「まだ申請もしていないのに、相談してもよいのだろうか」と感じる保護者様もいらっしゃるかもしれません。でも、ご安心ください。

私たちナーシングは、申請前の段階からでもお気軽にご相談いただけます。書類の準備から手続きの流れ、お子さまに合った支援の選び方まで、一緒に考えさせていただきます。

まずはお気軽にお問い合わせください。

まとめ

最後まで読んでいただき、ありがとうございます。「受給者証のことが少しわかった」「相談してみようかな」と感じていただけたなら、とても嬉しいです。受給者証は、お子さまの可能性を広げるための大切な一歩です。この記事で押さえておきたいポイントを改めてご紹介します。

  • 受給者証は障害を「認定」する証明書ではなく、必要な支援を受ける権利を示す証明書である
  • グレーゾーンや診断前のお子さまでも申請できるケースがあり、障害認定の手帳がなくても取得できる場合がある
  • 申請情報が学校や保険会社に自動通知されることはなく、日常生活に制限が生じるものではない

「一歩踏み出すのが怖い」というお気持ちは、とても自然なことです。ただ、受給者証の取得はお子さまの未来への扉を開く選択になるかも知れません。ナーシングでは申請前の段階からご相談をお受けしております。ぜひ、まずはお気軽にお問い合わせください。