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広報 2026.05.17

発達障害の二次障害|子どものサインに気づき親が今日からできること

発達障害の二次障害|子どものサインに気づき親が今日からできること

「最近、うちの子の様子がなんか違う……」そう感じながら、それが反抗期なのか、ただ疲れているだけなのか、それとも別の何かなのか、判断できずに不安を抱えている保護者の方は決して少なくありません。

発達に特性のあるお子さまは、日常の中で積み重なるストレスや失敗体験をきっかけに、不安障害・抑うつ・不登校などの「二次障害」を発症するリスクがあります。思春期を迎えるにつれてそのリスクは高まり、早めの気づきがその後の回復を左右します。

この記事では、二次障害の定義と発症のしくみ、保護者が日常の中で気づける早期サインのポイント、家庭と支援機関が連携して取り組める具体的な予防策を取り上げます。放課後等デイサービスの現場視点も交えながら、「今日からできること」をお伝えします。

発達障害の二次障害とはどんな状態か

二次障害とは、発達の特性への対処が不十分な環境から生じる二次的な問題です。特性そのものではなく、周囲との摩擦や失敗体験の積み重なりが引き金となります。早めに変化に気づき、専門機関や支援者に相談することが、お子さまの回復への力となります。

一次障害と二次障害の違いと発症のしくみ

一次障害は、ASD(自閉スペクトラム症)やADHD(注意欠如・多動症)など、生まれつきの特性そのものを指します。二次障害は、その特性を持つお子さまが「できない」「わかってもらえない」体験を繰り返す中で自己肯定感が低下し、不安障害や抑うつが生じた状態です。特性と環境が重なることで悪循環が生まれる、というしくみがあります。

子どもに現れる二種類の症状

二次障害の症状は、「内側に向かうもの(内在化障害)」と「外側に向かうもの(外在化障害)」の二種類に大別されます。落ち込み・強い不安・不登校・無気力といった内向きの症状と、激しい反抗・暴力などの外向きの症状がそれぞれに対応します。「ふさぎ込みが長引く」「些細なことで激しく怒る」などの変化が、サインになることもあります。

何歳から二次障害のリスクが高まるか

国立特別支援教育総合研究所の報告(2012年3月発行)では、6〜8歳ですでに20.5%、12〜15歳では61.5%のお子さまに何らかの二次障害が見られるとされています。就学前後から注意が必要ですが、思春期にかけてリスクが特に高まります。「まだ小さいから大丈夫」と思わず、早めに変化へ目を向けることが助けになります。

保護者が日常で気づける二次障害の早期サイン

食欲・睡眠・言動のちょっとした変化が、二次障害の早期発見につながることがあります。「気のせいかな」と流さずに、気になったら一人で抱え込まず支援機関へ相談することが大切です。

反抗期と二次障害はどこが違うか

二次障害に特有のサインは、突然の変化・特定の場面での強いストレス反応・お子さま本人も苦しそうにしているという3点で、成長の一過程である反抗期とは区別されます。こうした違いが感じられるとき、発達支援の専門家への相談を検討してみてください。

反抗期と二次障害のサイン比較
比較項目 反抗期 二次障害
継続期間 一定期間で自然におさまる 適切な支援がないと長期化しやすい
本人の様子 反発しつつも日常生活は送れている 本人も苦しそう・つらそうに見える
感情の現れ方 場面を問わず反抗的な態度が出る 特定の場面で強いストレス反応が出る
対処の方向性 見守りながら成長を待つ 専門家への相談・環境調整を検討する
※ 上記は一般的な傾向であり、個人差があります。気になるサインがあれば専門家にご相談ください。

放課後等デイサービスの現場で見えるSOS行動

家庭では気づかれにくいSOSが、支援の場で現れやすいことがあります。

私たちナーシングの現場では、「急に活動に参加しなくなった」「些細なことで激しく泣いたり怒ったりする」「以前好きだったことへの関心が薄れた」といった変化が、二次障害の兆候として現れやすいことを経験してきました。放課後等デイサービスは、家庭では見えにくいお子さまのSOSに気づける場所でもあります。第三者の目が、早期支援への大切な一歩になります。

保護者が見落としがちな子どもの変化

毎日一緒にいるからこそ、変化に気づきにくいことがあります。

「笑顔が減った」「好きなことへの興味が薄れた」「朝の準備に以前より時間がかかる」などのふとした気になる変化も、お子さまのSOSサインかもしれません。忙しい日常の中でも、ふとした瞬間に「最近どうかな」とお子さまを見つめる時間を大切にしてみてください。気になる変化に気づいたときは、ナーシングへお気軽にご相談ください。

二次障害を防ぐ家庭と支援機関の連携方法

家庭・学校・支援機関の三者が同じ方向を向いて関わることが、二次障害予防の基本です。場所によって対応がバラバラだと、お子さまが混乱し二次障害のリスクが高まる事例を、ナーシングの現場でも多く経験してきました。連携の進め方と、毎日の関わり方のポイントを紹介します。

自己肯定感を守る日常の関わり方

自己肯定感とは、「自分はここにいていい」と感じられる心の土台のことです。毎日の声かけの積み重ねが、その土台を育てます。

失敗したときは責めるより「次はどうしよう?」と一緒に考え、小さな努力を丁寧に認めていくことのくり返しが、お子さまの自信の源になります。完璧でなくていい。保護者様の温かいまなざしが、何より大きな力です。

保護者自身のストレスが子どもに与える影響

保護者様のストレスは、知らず知らずのうちにお子さまへ影響します。青森県内のクリニックを対象とした2012年の研究(小児保健研究 第71巻第4号)では、発達に特性のあるお子さまを育てる保護者の65%が、子育てをとてもつらいと感じた経験があると報告されています。消耗が続けば、お子さまのサインを見逃しやすくなります。

まずはどうか、保護者様ご自身を大切になさってください。それが、お子さまを守る一番の力です。

学校・支援機関への相談の進め方

「何から話せばいいかわからない」と感じている保護者様は多いものです。初回相談の前に、以下の3点を簡単にメモしておくだけで十分です。

  • 気になる行動(どんな場面で起きているか)
  • 頻度と始まった時期(いつ頃から、どれくらいの頻度か)
  • 保護者様自身が感じている困り感

完璧な説明は不要です。まず連絡するだけで大丈夫。ナーシングがお話を丁寧に伺い、一緒に次の一歩を考えます。

放課後等デイサービスが果たす予防の役割

放課後等デイサービスは、単なる「預かりの場」ではありません。お子さまが「できた」を積み重ね、自己肯定感を育む専門的な支援の場として機能します。ナーシングでは、根拠のある療育を通じて家庭・学校との密な三者連携を大切にし、一つひとつの成功体験が二次障害の予防へとつながるよう支援しています。

よくある質問(発達障害の二次障害について)

保護者の方からよく寄せられる疑問に、放課後等デイサービスの現場経験を踏まえてお答えします。

二次障害と反抗期はどう見分けますか?

反抗期は成長の一部ですが、二次障害は環境ストレスから生じる問題です。見分けるポイントは「持続期間・強度・日常への支障」の3点で、変化が突発的でありお子さま自身がつらそうにしているなら、支援が必要なサインかもしれません。「なんか様子が違う」と感じたら、一人で判断しようとせず、まず発達支援の専門家にご相談ください。

二次障害は治りますか?

早期に気づき、適切なサポートをすることで改善が見込まれます。「完治」よりも「生きやすくなること」を目標に、自己肯定感を守る日常の関わりと専門機関との連携が、回復への近道です。焦らず一歩ずつ環境を整えていきましょう。お子さまの変化に気づいた今が、動き出す大切なタイミングです。

何歳から二次障害に気をつければいいですか?

年齢が上がるほどリスクは高まりますが、早くから意識することで予防につながります。思春期にかけてリスクが特に高まるため、「まだ早い」と思わず、小学校入学後の変化を丁寧に見守ることが大切です。

親がしてはいけない対応はありますか?

「責める・比べる・一人で抱え込む」は、お子さまの状態を悪化させやすい対応です。失敗体験の積み重ねが二次障害の引き金になるため、小さな成功体験を積める場面をつくり、困り感をそのまま受け止める姿勢が助けになります。保護者の方が一人で抱え込みすぎず、支援者と一緒に考えていただけると幸いです。

放課後等デイは二次障害の予防に効果がありますか?

安心できる居場所として自己肯定感を育む効果が期待できます。ナーシングの放課後等デイサービスでは、根拠のある療育を通じて「できた」を積み重ねる環境を整え、家庭・学校との情報共有を密に行いながら三者で支える体制を大切にしています。二次障害の予防について不安なことがあれば、まずはお気軽にご見学・ご相談ください。