療育お役立ち
広報 2026.06.05

発達障害と不登校|子どもの「行けない」に親ができること、放課後等デイサービスという選択肢

発達障害と不登校|子どもの「行けない」に親ができること、放課後等デイサービスという選択肢

「また今日も行けなかった」。そのひと言を飲み込みながら、どれほど眠れない夜を過ごしてきたでしょうか。

お子さまの「行けない」は、怠けでも育て方のせいでもありません。特性と学校環境のミスマッチから生まれた、れっきとしたSOSです。文部科学省の調査では、2024年度の不登校児童生徒数は35万3,970人と過去最多を更新しました。さらにPAPAMO株式会社の調査によると、発達特性のあるお子さまの不登校率は全国平均の9.5倍(35.5%)にのぼります。

この記事では、なぜ発達特性のあるお子さまが不登校になりやすいのか、二次障害を防ぐために今できることは何か、そして放課後等デイサービス(以下、放デイ)がどのように居場所として機能するかを、支援の現場から丁寧にお伝えします。

発達障害のある子どもが不登校になりやすい理由と二次障害のリスク

発達特性のあるお子さまの不登校率は全国平均の9.5倍(PAPAMO株式会社調査)。この数字が示しているのは、学校という場所が特性をもつお子さまにとって想像以上の消耗の場になっているという事実です。

お子さまが「行けない」と感じる背景に、怠けや親の育て方といった問題は一切ありません。特性と学校環境のミスマッチという、構造的な課題があります。この章では、そのしくみを読み解きながら、二次障害を早期に防ぐための視点をお伝えします。

発達特性のある子の不登校率
PAPAMO株式会社調査より
発達特性のあるお子さまの不登校率は
全国平均の“桁違い”の高さ
全国平均
3.72%
小中学生全体
発達特性のあるお子さま
9.5
不登校率 35.5%
学校という場所が、特性をもつお子さまにとって
想像以上の消耗の場になっている事実を示す数字です。
出典:PAPAMO株式会社「小中学生の発達特性と登校困難の関連性調査」(2025年8月発表/有効回答1,500名)
全国平均は文部科学省「令和5年度児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査」より

ASD・ADHD・SLDの特性が学校環境と衝突する仕組み

特性のあるお子さまが学校を苦しいと感じるのは、意志や努力の問題ではなく、脳の特性と環境のズレから生まれる必然的な摩擦です。

ASD(自閉スペクトラム症)のお子さまは、見通しの立たない状況や予期せぬ出来事に強いストレスを感じやすい特性があります。授業中よりも休み時間や給食など「決まりのない時間」のほうが消耗しやすく、帰宅後にぐったりするのはそのためです。

ADHD(注意欠如・多動症)のお子さまにとって、「じっとしている」「順番を待つ」「話を最後まで聞く」は、脳の特性上ひどく難しい要求です。毎日くり返される「できなかった経験」が、自己肯定感をじわじわと削っていきます。

SLD(限局性学習症)のお子さまは、読み・書き・計算のいずれかに困難があるため、板書のスピードについていけない、教科書の音読で詰まるといった場面で「自分だけできない」という体験をくり返します。

これらはすべて「子どものせいではない」——特性はその子の個性の一部であり、問題は環境との折り合いにあります。

「行き渋り」から「完全不登校」へ進む4つの段階

不登校は突然始まるわけではありません。サインは段階的に現れ、早い段階で気づくことができます。以下は、ナーシングの支援現場での知見をもとに整理した4つの段階です。

第1段階:登校しぶりのはじまり 「お腹が痛い」「頭が痛い」など身体症状が出始め、月曜朝に泣いたり、玄関で動けなくなったりすることが増えます。この時期は気づきやすいタイミングです。

第2段階:欠席頻度の増加 週1〜2回の欠席が定着し始め、登校できた日も保健室で過ごすことが増えます。「行きたい気持ちはある」という状態が続き、本人も葛藤しています。

第3段階:断続的な欠席 登校できる日と休む日が繰り返されるようになります。学校への気持ちがしだいに遠ざかり、「もう行かなくていい」という言葉が出てくることもあります。

第4段階:完全不登校 登校が途絶え、自室から出られない状態になることもあります。ここまで進むほど回復には時間がかかるため、第1〜2段階での対応が重要です。

各段階に共通して見られるサインは、睡眠リズムの乱れ・食欲の変化・ゲームやスマートフォンへの没入です。「様子を見よう」という判断が長引くほど、次の段階に進みやすくなる点を覚えておいてください。

放置すると深刻化する二次障害(うつ・ひきこもり)とは

二次障害とは、発達の特性に起因するストレスが積み重なることで生じる、うつ状態・不安障害・ひきこもり・反抗的行動などの状態を指します。不登校が長期化するほどリスクが高まるため、早期に安全な居場所と支援につながることが予防のカギとなります。

学校に行けない期間が長くなるにつれ、「自分はダメだ」「どうせ何をしても無理だ」という感覚が内側に積み重なっていきます。これがうつ状態や強い不安感へと発展し、外出そのものが困難なひきこもり状態につながるケースもあります。

ただし、強くお伝えしたいのは「早めに動けば、防ぐことができる」という事実です。二次障害への対応はどの段階からでも始められ、早い段階であるほどお子さまも保護者様も負担が少なくて済みます。ナーシングの支援現場でも、早期に相談につながったご家族ほど、お子さまの回復が穏やかに進む様子を多く見てきました。

グレーゾーンの子どもが診断ありより不登校になりやすい理由

PAPAMO株式会社の調査では、発達特性はあるものの診断基準を満たさない「グレーゾーン」のお子さまの65%が行き渋りを経験していることが報告されており、これは診断のあるお子さまよりも高い割合です。

診断があるお子さまは、学校内で支援を受けやすく、特性に合わせた関わりが比較的整いやすい環境にあります。一方でグレーゾーンのお子さまは、困りごとが周囲から見えにくく、「少し苦手なだけ」「もう少し頑張れば大丈夫」と判断されがちです。結果として支援につながる前に消耗が積み重なり、不登校へと進んでしまうケースが後を絶ちません。

診断が出ていない段階でも、相談・行動することには十分な意味があります。発達障害者支援センターや放デイへの相談は、確定診断がなくても可能です(医師の意見書や発達に関する書類があれば、受給者証の取得につながる場合があります。詳しくは市区町村の窓口にご確認ください)。

困りごとは診断書の有無では決まりません。今の状態で相談できる場所が、必ずあります。

以下の図は、グレーゾーンのお子さまが支援につながりにくい構造を整理したものです。

グレーゾーンのお子さまが支援につながりにくい理由
グレーゾーンのお子さまが支援につながりにくい理由
診断の有無が支援アクセスと不登校リスクに与える影響
発達特性のあるお子さま
診断ありルート
1
特性が明確に認識される
2
学校内で合理的配慮や支援が受けやすい
3
特性に合わせた関わりで消耗が緩和
行き渋り経験率
57.6%
相対的にリスクが抑えられる
グレーゾーンルート
1
困りごとが外から見えにくい
2
「もう少し様子を見よう」と判断されがち
3
支援につながらず消耗が積み重なる
行き渋り経験率
65.0%
不登校・二次障害リスク上昇
診断の有無にかかわらず、困りごとがある段階で相談することに十分な意味があります。発達障害者支援センターや放デイへの相談は、確定診断がなくても可能です。
出典:PAPAMO株式会社「小中学生の発達特性と登校困難の関連性調査」(2025年8月発表・有効回答1,500名)

子どもを守るために親が今すぐできる対応と相談先

「何から始めればいいかわからない」——その状態でも、今日から動ける方法があります。家庭でできる対応・相談先の探し方・親自身のケアという3つの柱を押さえるだけで、お子さまの状況は必ず変わり始めます。

不登校が始まったとき、最初の1週間に親がすべきこと

一概に断定はできませんが、最初の1週間でもっとも大切なのは、お子さまを「休ませる」という選択を取れることだと考えています。文部科学省は令和元年の通知(「不登校児童生徒への支援の在り方について」)において、一方的・画一的な登校刺激が状況を悪化させる場合があると示しています。まずは「休んでいい」とお子さまに伝えることが、回復への第一歩になることがあります。

学校への連絡は、担任に「しばらく休養させます」と簡潔に伝えるだけで十分です。「様子を見ながらご連絡します」という一言を添えれば、学校との関係を維持できます。

家庭では、できるだけ規則正しい生活リズムを保ちながら、お子さまの好きなことをする時間を尊重する。「なぜ行けないの」という問いかけより、「つらかったね」「ゆっくりしていいよ」という言葉が、心の安全感を守ります。話したそうなときはじっくり聞き、話したくないときは無理に引き出さない——その繰り返しが、親子の信頼を育ててくれます。

子どもの自己肯定感を守る家庭環境の整え方

家庭が「安心できる場所」であることが、お子さまの回復を支える最大の土台になります。不登校のお子さまは、学校でうまくいかなかった経験を繰り返す中で「自分はダメだ」という感覚を積み重ねていることが少なくありません。

また、失敗しても大丈夫、という雰囲気をつくることも欠かせません。ゲームで負けても怒らない、食欲がなくても責めない、などの姿勢の積み重ねが、お子さまにとっての「心理的安全基地」としての家庭を育てます。

親自身のメンタルケアとペアレント・トレーニングの重要性

お子さまを支える保護者様自身が、気力と健康を保っていることが支援の前提です。不登校に向き合う日々は、罪悪感・疲労・孤独感が重なりやすいため、「自分がしっかりしなければ」と抱え込まずに、誰かに話すことが回復の入口になります。

ペアレント・トレーニングとは、お子さまへの効果的な関わり方を学ぶ保護者向けプログラムです。医療機関・発達支援センター・NPOなどで提供されており、「ほめ方・伝え方・見守り方」を具体的に学べます。厚生労働省の発達障害者支援施策の一つとして位置づけられており、都道府県・市町村での普及が推進されています(厚生労働省「発達障害者支援施策の概要」)。

支援を受けるのはお子さまだけではありません。保護者様が元気でいることが、お子さまへの最善の支援です。地域の子育て支援センターや、かかりつけ医への相談も、一つの選択肢として覚えておいてください。

以下の表は、保護者様が活用できる主な相談先と、それぞれの特徴をまとめたものです。

保護者向け相談先比較表
保護者様が活用できる主な相談先一覧
不登校・発達特性のあるお子さまを持つ保護者様が、状況に合った相談先を一目で判断できるよう整理しました。
相談先 対象・こんな時に 特徴 連絡方法
担任の先生 学校生活全般
お子さまの学校での様子を知りたい時
最も身近な相談窓口。学内連携の起点となり、校内の支援体制につなげてもらえる 連絡帳・電話
学校窓口
スクール
カウンセラー
お子さまや保護者様の心のケア
不登校・人間関係の悩み
臨床心理士・公認心理師等の心理専門職。守秘義務があり、第三者として安心して相談可能 担任経由で
予約申込
教育支援センター
(適応指導教室)
不登校のお子さま
学校以外の居場所が必要な時
教育委員会が運営する公的機関。個別学習・集団活動・カウンセリングを無料で提供。在籍校と連携 市区町村の
教育委員会
発達障害者
支援センター
発達特性に関する相談
診断の有無にかかわらず利用可
都道府県・指定都市が設置する専門機関。家庭での関わり方・療育・関係機関の紹介を無料で実施 各地域の
センターへ直接
児童相談所 18歳未満のお子さま
養育・発達・家庭の複合的な悩み
児童福祉法に基づく行政機関。育成・障害・養護相談など幅広く対応。専門職による総合的な支援 電話189
(いちはやく)
放課後等
デイサービス
6〜18歳の就学児
放課後の居場所・療育が必要な時
児童福祉法に基づく通所支援。発達支援・社会性の訓練を提供。費用は1割負担(月額上限あり) 市区町村の
障害福祉窓口
※ 本表は一般的な目安です。利用条件・窓口・費用は自治体により異なる場合があります。詳細はお住まいの市区町村または各機関にご確認ください。
※ 児童相談所全国共通ダイヤル「189」は、お住まいの地域の児童相談所につながります(厚生労働省)。

学校・医療機関・公的機関への相談の進め方

相談先にはそれぞれ役割があり、状況に応じて使い分けることで、より早く適切なサポートにつながれます。

まず最初に連絡しやすいのは、担任またはスクールカウンセラーです。学校の状況をもっともよく知る立場にあり、校内の支援体制や教育支援センター(適応指導教室)への紹介も依頼できます。発達の特性が気になる場合は、学校の特別支援教育コーディネーターへの相談も有効です。

発達に関する専門的な評価や支援計画が必要な場合は、発達障害者支援センターが頼りになります。診断の有無にかかわらず相談を受け付けており、地域の支援機関への橋渡し役としても機能します。緊急性が高い場合や家庭全体の支援が必要な場合は、児童相談所への連絡も選択肢の一つです。

かかりつけの小児科や発達外来も入口として活用できます。医師からの意見書は、放デイの受給者証取得にも役立ちます。ナーシングのような放デイも保護者様からの相談窓口として機能しており、「どこに行けばいいかわからない」という段階からお話を伺うことができます。相談先が重なっても構いません。一人で抱え込まず、複数のサポートを同時に活用することが、お子さまと保護者様を守ることにつながります。

放課後等デイサービスが不登校の子どもの居場所になる理由

不登校の状態にあるお子さまでも、放デイには通うことができます。放デイは学校への登校を前提とした施設ではなく、発達に特性のあるお子さまの成長と生活を支える福祉サービスです。学習・生活・社会性といった幅広いサポートを通じて、学校以外の「安心できる居場所」として機能します。

こども家庭庁「放課後等デイサービスガイドライン(令和6年7月)」では、不登校の状態にあるお子さまへの支援が明文化されており、制度上も受け入れの枠組みが整っています。「学校に行けない=どこにも行けない」ではありません。

不登校でも放課後等デイサービスに通える?利用条件を解説

受給者証(お子さまが支援を受ける権利を示す福祉サービスの証明書)があれば、不登校の状態であっても放デイは利用できます。 学校への出席状況は、利用の可否に影響しません。

放デイの対象は、小学校入学後から高校卒業まで(原則6〜18歳)のお子さまです。就学前のお子さまは「児童発達支援」が対象となり、小学校入学を機に放デイへと移行します。受給者証は、お住まいの市区町村の窓口に申請することで取得できます。申請には医師の診断書、または発達の特性に関する意見書が必要です。確定診断がないグレーゾーンのお子さまも、意見書があれば受給者証の取得・利用が可能な場合があります。

「診断が出ていないから申請できない」とあきらめる前に、まずはお住まいの市区町村の窓口やナーシングのような支援機関にご相談ください。一緒に状況を整理し、次の一歩を考えることができます。

放課後等デイサービスの利用が学校の出席扱いになる条件と申請手順

一定の条件を満たした場合、放デイへの通所が学校の出席扱いとして認められることがあります。すべてのケースに自動的に適用されるものではなく、学校・自治体ごとに判断が異なる点をご理解ください。

出席扱いとして認められるためには、主に以下の要件が求められます。

  • 保護者様から学校長への申請・承認があること
  • 放デイでの活動が学習活動として認められる内容であること
  • 学校・放デイ・家庭が連携し、支援記録を適切に共有・保管していること

申請の流れとしては、まず担任の先生または支援コーディネーターに「出席扱いの申請を検討している」と相談することが出発点になります。その後、学校長への正式な申請・面談を経て、放デイ側と学校が連携した記録の仕組みを整えていきます。まずは学校にご相談ください。

出席扱い申請の4ステップ

令和6年度改定で明記された不登校支援の具体的な内容

令和6年7月、こども家庭庁が「放課後等デイサービスガイドライン」を改定し、不登校の状態にあるお子さまへの支援と配慮の必要性が正式に明文化されました。これにより、放デイが不登校支援の場として制度上も明確に位置付けられました。

改定前から、不登校のお子さまは受給者証があれば放デイを利用できました。今回の改定では、そこに踏み込んで「不登校のお子さまへの必要な配慮」を事業者に対して求めることが明記されました。従来は「放課後」という名称から利用に戸惑われる保護者様もいましたが、制度の趣旨がより明確になっています。

また、不登校のお子さまに対して、学習支援・生活リズムの安定・社会参加の機会提供などを組み合わせた支援を行うことが、ガイドラインの中で支援事業者に求められています。制度が変わり、放デイはより使いやすく、より頼れる存在へと進化しています。

放課後等デイサービスを通じて二次障害を防いだ支援の実際

ナーシングの支援現場では、「学校には行けない日でも、放デイには来られた」というお子さまが少なくありません。慣れ親しんだスタッフとの関係の中で、自分のペースで過ごし、少しずつ「ここは安全だ」という感覚を取り戻していけることがあります。生活リズムが整い、外出への抵抗感が薄れ、やがて「また誰かと話してみたい」という気持ちが芽生えてくるといった変化を、私たちは日々の支援の中で見守ってきました。

CiNii Researchに掲載された2018年の研究(対象7名の小規模研究ではありますが)でも、不登校経験のある発達特性のあるお子さまへの放デイ支援によって社会的機能が有意に向上したことが報告されており、居場所としての役割には根拠があります。

二次障害を防ぐために今できることを、我々のような福祉事業者も一緒に考えさせてください。

よくある質問(発達障害と不登校に関するQ&A)

保護者様からよく寄せられる5つの問いに、温かく・正確に・すぐ使える言葉でお答えします。夜中に一人で検索しながら抱えてきた不安が、少しでも和らぎますように。

不登校の状態でも放課後等デイサービスには通えますか?

受給者証があれば、不登校の状態であっても放デイを利用できます。

放デイは「学校に登校していること」を利用条件としていません。発達に特性のあるお子さまの発達支援・生活支援を目的とした福祉サービスであり、登校状況は問われません。「学校には行けない日でも、放デイには来られた」というお子さまをナーシングでも支援してきました。まずはお住まいの市区町村窓口またはナーシングにご相談ください。

放課後等デイサービスの利用は学校の出席扱いになりますか?

一定の条件を満たし、学校長が認めた場合に出席扱いとなります。

文部科学省が定めた要件に基づき、保護者様が学校に申し出て担任・校長を交えて協議し、校長が認めることで出席扱いとなります。学校・放デイ・家庭が連携して支援記録を残すことも条件の一つです。制度の適用条件は学校・自治体によって異なりますので、まずは担任の先生または支援コーディネーターを通じてご確認ください。「出席扱いになるかもしれない」という選択肢があること自体、知っているだけで気持ちが変わることもあります。

診断が出ていなくても放課後等デイサービスは利用できますか?

医師の診断書または発達の特性に関する意見書があれば、確定診断がなくても受給者証を取得して利用できる場合があります。

いわゆる「グレーゾーン」(発達障害の診断基準を満たさないが特性のある状態)のお子さまも対象になり得ます。診断を待つ間も、支援の入口は開いています。まずは市区町村の窓口または支援機関にご相談ください。

子どもを休ませ続けて将来ひきこもりにならないか不安です

適切な支援につながることで、ひきこもりのリスクは大きく下げられます。

休ませること自体は悪くありません。無理な登校によって二次障害(うつ状態・不安障害など)が深刻化するほうが、長期的なリスクは高くなります。大切なのは、休養しながら「学校以外のつながり」を早めに確保すること。放デイや支援機関に少しずつつながっていくことが、孤立を防ぎ、将来の自立への土台になります。

ASDの子どもが不登校のとき、無理に登校させないほうがいいですか?

ASDの特性による消耗が続く環境に無理に戻すことは、状態を悪化させる可能性があります。

ASDのお子さまは、感覚過敏・予測できない場面への強いストレスから、学校という環境そのものに多大なエネルギーを消耗することがあります。まずは安心できる場所と関係を確保し、回復の時間を大切にすることが優先です。ナーシングをはじめ、放デイや専門機関への相談が、次の一歩を考えるうえでの力になります。

まとめ

この記事をお読みいただきありがとうございます。お子さまの「行けない」に悩み、眠れない夜を過ごしてきた保護者様に、一つだけ確かなことをお伝えします。それは、発達特性のあるお子さまの不登校は、怠けでも育て方のせいでもなく、特性と環境のミスマッチから生まれたSOSであり、適切な支援につながることで必ず前進できるということです。この記事の重要なポイントを、改めて整理してお伝えします。

  • 発達障害のある子どもの不登校率は全国平均の9.5倍(35.5%)にのぼり(PAPAMO株式会社調査)、その背景にはASD・ADHD・SLDの特性と学校環境のミスマッチという構造的な課題がある
  • 不登校が長期化すると二次障害(うつ状態・不安障害・ひきこもり)のリスクが高まるため、行き渋りの第1〜2段階で安心できる居場所や支援機関に早期につながることが予防のカギとなる
  • 放課後等デイサービスは学校への登校を条件とせず、受給者証があれば不登校の状態でも利用でき、令和6年7月改定のガイドラインでも不登校支援の場として明確に位置付けられている

「どこに相談すればいいかわからない」という段階からでも、発達障害者支援センターや放課後等デイサービスに相談することができます。診断の有無も問いません。まず一歩、声に出してみることが、お子さまの回復と保護者様自身の安心につながります。私たちナーシングも、その一歩に寄り添い続けます。