発達障がいでも安心!高校卒業を支援するサポート校とは?
発達障がいや不登校など、全日制高校に通いづらい中学生の中には、通いやすい通信制高校に進学を決断し、同時にサポート校の入学を考えている方がたくさんいらっしゃいます。
ただ「本当にサポート校は必要なのか?」「サポート校って一体なに?」など、不安や疑問を抱えている方も多いのではないでしょうか?
そこでこの記事ではサポート校について詳しく解説していきます。
発達障がいでも安心して学ぶならサポート校!
サポート校とは、通信制高校の卒業を目指す人たちに対して学習のサポートや、カウンセリングを行う教育施設のこと。
いわゆる学習塾や予備校のような存在です。
サポート校は、民間企業が運営を行っていることが多いため、カリキュラムの柔軟性が高く、様々な特性に対応できるという特徴があります。
そんな中、発達障がいのあるお子様の特徴や個性を理解し、生活面までしっかりとサポートしてくれる学校も存在します。
無理なく学習を進められるような環境が整えられているため、「通信制高校を卒業できるのか不安」という保護者様も、安心してお子様を任せられるでしょう。
通信制高校とサポート校の違いとは?
そもそもサポート校という存在を、通信制高校について調べている際に初めて知ったという方が多いのではないでしょうか?
実は、サポート校と通信制高校の役割や目的は大きく異なります。
まずは、双方の違いをはっきり理解しておきましょう。
○高校卒業資格を取得できるかどうか
重要な違いは、「高校卒業資格」を取得できるかどうかです。
サポート校は学校教育法という法律で「学校」と定められておらず、高校卒業資格を取得することはできません。
あくまで、通信制高校の卒業をフォローするための場です。
一方、通信制高校は、高校卒業資格を取得するための学校です。
学校教育法により「高等学校」と定められているため、通信制高校を卒業することができれば高校卒業資格を取得することができます。
毎日登校する必要がなく、頻度が少ない場合は年に4回などの学校もあります。
登校回数が少ない分、自学自習のみというケースが多いことが特徴です。
○運営する機関が違う
通信制高校とサポート校は運営する機関が違うという点もあります。
通信制高校は高等学校ですので、公立の場合は各市町村などの地方自治体が運営を行っており、私立は学校法人が運営を行うことが多いです。
サポート校の場合、予備校・学習塾・専門学校などの民間企業が運営を行っていることがほとんどです。
そのため、運営母体の強みやノウハウに合ったコースが選べるなど、学校ごとに特色が大きく違います。
サポート校を利用する場合は、学校ごとにサポートの内容が違うため、よく比較検討してみてください。
サポート校の学費は高い?
お子様に合わせたサポートが充実しているサポート校ですが、通信制高校と同時に通うとなれば、気になるのが学費の問題です。
費について具体的に説明していきます。
・通信高校の場合
学費は1単位ごとに発生し、支援金なども1単位ごとに補助が出る仕組みです。
基本的に自学自習で、自分で単位を取得するための計画を立てる必要があります。
また、私立の通信制高校では、サポート体制がしっかり確立されている場合もあり、「1単位ごとの学費+通信制高校独自のサポート費用」がかかってきます。
通信制高校の学費は、公立・私立で異なりますが「年間4万円〜30万円」は必要になるでしょう。
ただ、就学支援制度により無償化したり大幅に費用を抑えることができることもあります。
・サポート校の場合
サポート校では、「通信制高校の学費+サポート校」の学費が必要です。
サポート校にかかる費用は、登校頻度やコースによって異なりますが、一般的に「年間40〜100万円」程度。
サポート校は法律で学校と認められていないため、支援金などの補助を受け取ることができません。
サポート校 | 通信制高校(公立) | 通信制高校(私立) | |
入学金 | 5~20万円 | 500円 | 2~5万円 |
授業料 | 30~80万円(年間) | 1~3万円(年間) | 18万円〜(年間) |
合計 | 40万円~ | 4~6万円 | 25万円~ |
このように、ダブルスクールとなるとサポート校と通信制高校のどちらにも費用がかかってくるので、費用の負担は大きくなってしまうことが現状です。
ただ、通信制高校をストレスなく安心して卒業するためには、双方の学習を連携させることが重要になってきます。
お子様の将来のことを考え、入学前に説明会や資料請求でしっかり確認しておきましょう。
サポート校が選ばれる5つのポイント
サポート校が多くの方に選ばれているポイントは一体なんでしょうか?
4つのポイントに分けて解説していきます。
1.高校卒業資格を取得しやすくなる
実は、通信制高校を独学で卒業するのは難しいといわれています。
ナーシングでは、文部科学省が発表している「通信制課程における生徒の入退状況」から卒業率を計算してみました。
通信制高校を独学で卒業できる割合は、公立で約14%、私立で約30%と大変厳しい状態です。
公立 | 私立 | |
H30年度 生徒数 | 57,285人 | 129,217人 |
H30年度 退学者数 | 4,669人 | 7,526人 |
H30年度 卒業者数 | 7,982人 | 48,301人 |
卒業率 | 14.5% | 33.9% |
通信制高校は自学自習が基本のため、自己管理ができずに中退してしまう方がちらほら…。
指導してくれる人がいないため、つい「明日やろう」となまけ癖がつき、卒業できないという生徒が多いことが現状です。
しかしサポート校は、苦手科目の克服、個別授業、学習計画の作成、大学受験対策など、高校卒業や進学のために必要な学習全般をサポートしているため、卒業までの学習ペースを維持することができます。
一人ひとりのペースに合わせた学習計画を作成し、無理なく卒業資格を取得できるのも、サポート校が選ばれるポイントです。
2.個々に合わせた生活面・精神面のサポートを受けられる
発達障がいに理解があるサポート校では、専門的なサポートや心のケアなども十分に行っています。
なかには、教員やカウンセラーの他にも、言語聴覚士や作業療法士などのリハビリテーションの国家資格を持っている職員が常時在籍している学校も。
生徒が参加しやすい行事を開催し、生徒同士のコミュニケーションをサポートしてくれるなど、サポート内容は多岐に渡ります。
学習面だけではなく生活面・精神面でのサポートを受けられるのも、サポート校の魅力です。
お子様だけではなく保護者様も相談できるカウンセラーが常駐している学校もあり、不安や困ったこともすぐに相談することができます。
3.不登校生徒へのフォローがある
不登校の生徒様は、登校・学校の人間関係・学習面などに対し大きな不安を抱える方が多くいらっしゃいます。
サポート校では、そのような不安に応えられる環境が整っています。
具体的には以下のようなサポートが行われています。
- 登校頻度や時間を決めることができるため、自分のペースで無理なく学習を進めることが可能
- 少人数制クラスや行事ごとの開催によって、無理のない範囲で人間関係を構築することができる
- 個々に合わせたペースで個別指導を行い、学習の遅れを解消できる
- カウンセラーによる心理的サポートがあり、安心して登校できる
学習や社会的な環境への不安を解消し、適切なサポートを受けながら学ぶことができるのも、サポート校のメリットです。
4.お子様一人ひとりのペースで学習を進められる
学習スピードや得意・不得意などは一人ひとり異なります。
全日制高校のように教室でみんな一斉に授業を受けるとなると、授業内容が分からない場合は勉強がどんどん遅れていき、ついていくのが大変になってしまいます。
サポート校では、個々に合わせた学習プランを作成し、それぞれのスピードに合わせて学習を進めていきます。
少人数制や個別指導を採用している学校が多いため、わからない部分はすぐに先生に質問することができて安心です。
さらに、週に1日や週に3日など、登校する頻度を選択できる学校も多いため、無理なく自分のペースで通学することができます。
5.好きな分野を学ぶことができる
サポート校では高校卒業のサポートだけでなく、夢や進路に合わせた学習分野も充実しています。
例えば、eスポーツ、イラスト、音楽、芸術、ゲームなど、生徒が好きなことを自由に学ぶことが可能です。
高校卒業を目指しながら、専門学校で学ぶような自分の好きなことにも専念できることはサポート校の魅力です。
学校によって学べる分野は違いますが、お子様の「得意なもの」や「興味のあるもの」を専門的に学ぶことは、卒業後の進路選択においても大きなきっかけにもなるでしょう。
サポート校に通うデメリット
サポート校は様々なサポートを受けることができ、メリットばかりに思えますが、デメリットも存在します。
デメリットも理解した上で、サポート校に通うのか検討してみてください。
○サポート校だけでは高校卒業資格を取得できない
先述したように、サポート校だけでは高校卒業資格を取得することはできません。
高校卒業資格を取得するためには、通信制高校とのダブルスクールが必要です。
○学費が別途必要
サポート校はあくまで塾のような立ち位置にあるので、通信制高校とは別に学費がかかります。
全日制高校の生徒が学校とは別に塾に通う場合、別途費用が必要なのと同じです。
通信制高校とサポート校のダブルスクールとなると、費用負担が大きくなってしまうことがデメリットとして挙げられます。
サポート校を選ぶ時のポイント
サポート校は学校ごとに特性が異なります。
発達障がいのあるお子様がサポート校を選ぶ時には、以下の4つのポイントをチェックしましょう!
1.お子様に合ったサポートがあるか
まずは発達障がいのあるお子様に対応できるサポート校を選ぶことが最も重要です。
心理士の資格を持つカウンセラーや、リハビリテーションの資格を持つ職員が常駐している学校を選ぶと良いでしょう。
サポート校には、集団行動や友達作りが苦手なお子様もたくさんいらっしゃいます。
生徒同士のコミュニケーションもサポートし、ソーシャルスキル(社会生活の中で他者と関係を築いていく技術)を鍛えてくれる学校もあります。
高校卒業後の社会生活の自立までサポートしてくれるかという点も、視野に入れて検討してみてください。
2.学習面でのサポート内容は充実しているのか
個人の学習レベルに合わせた指導をしてくれる学校を選ぶようにしましょう!
例えば…
通学が難しいお子様には教員が自宅で授業を行ったり、
今までの学校の授業についていけなかったお子様には小中学生の範囲を復習できる講座を用意していたり、
一人ひとりに合わせた方法で学習をサポートしてくれる学校もあります。
高校の勉強についていけるか心配、勉強が得意じゃないというお子様でも、安心して通うことができます。
3.通いやすい登校回数なのか
お子様が通いやすい登校回数なのか、も重要なポイントになってきます。
学校によって違いはありますが、週1日、週2日、週5日など登校する頻度を自由に選択できることが多く、登校頻度は学校によりバラエティ豊かです。
個々の状況に応じて登校回数や時間帯を選べることで、無理のない高校生活を送ることができます。
登校回数を途中で変更できる学校もあるので、「今後どうなるかわからない」という方は、コース変更が可能かどうかも事前にチェックしておくと良いでしょう。
4.通いやすい距離なのか
登校しやすい学校かどうかもみておきましょう。
例えば、家から遠く乗り換えが複雑な場所にある学校だと、ストレスを感じ通うのが苦痛になってしまうお子様も多いです。
そのため、お子様の状態を考慮して、
- 家からの登校時間
- 通学ルートがシンプルか
- 送迎を行ってくれるのか
などをポイントに学校を選ぶことをオススメします。
サポート校は絶対に必要なのか?
通信制高校は自学自習を基本としているため、学校や卒業に対する強い意志が必要です。
強い意志さえあれば、サポート校を利用しなくても卒業することはできます。
ただ、高校卒業資格を取得したらそれで人生が終わりではありません。
その後のお子様の将来が大切なのです。
発達障がいへの理解が深いサポート校では、お子様の自立まで支援してくれる学校もあります。
高校卒業を目指すと同時に、お子様が将来一人で生きていけるようなサポートを受けられるという面では、サポート校に通う意味は大きいのではないでしょうか。
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