COLUMN コラム

ナーシングで働く児発管・サビ管の思い
ナーシングサポート前後 2022.11.13

三嶋執筆:③生活介護と就労Bで目指すものと「在り方」

三嶋執筆:③生活介護と就労Bで目指すものと「在り方」

〇ナーシングサポート前後校が生活介護・就労B型で目指すもののための在り方

最近の就労B型や生活介護の事業所では、eスポーツだったりデジタルツールを使ったアート作品の作成を始め、様々な取り組みがなされています。それぞれの取り組みには誰にどのような力を育んでもらいたいかという意図があり、利用する方のニーズにマッチすると、事業所自体も利用される方も活気にあふれた日々を送ることになります。

ナーシングサポート前後も事業として意図しているものがあり、その意図に対してニーズが適う方に利用して頂くのが一番だと考えています。色々な事業所があるため、利用を検討している方々が自分に合った事業所を選べるという福祉の環境つくりの一助になることも大切なことです。

ナーシングサポート前後が事業として意図していることは、ある意味で児童発達支援や放課後等デイサービスで意図しているものを大きく変わりません。そのため、その基本的な在り方も大枠においては変わりません。

  

ナーシングサポート前後も職員は全て「ナーシング」の職員です。アルバイト職員はごく数名いますが、全員2回以上の面接を受けて人柄を確認した人物であり、派遣職員は配置できても配置しておりません。面接自体も、資格があるかないかどうかよりも人間性はどうかという点で厳しく、通過率はかなり低いです。

福祉業界全般、人手不足状態が今も続いていますが、それでも職員として配置する人は人間性を確認した「ナーシングの職員」に限っています。もちろん、採用だけでその人のすべてが分かるわけではなく、また人は誰でも弱いところをもっていますが、それでも他人の前でやれないことはしない、ということを銘打って、その担保にトイレなどの一部を除くほぼ全室にカメラが設置されています。それは監視するというよりも、常に見られる存在であることを自覚するためという側面の方が大きいです。

こうした在り方の基、私たちが目指しているmission、vision、valuesの実現のためには、方法は限られていません。児童の分野でもそれぞれの事業所の特徴となっているやり方はありますが、極論を言えばそうした特徴的な方法も、目指しているものとの関係の中で、変えていって然るべきものです。

 

生活介護・就労B型の分野で目指すものは、利用されるご本人が自分の人生の「生きがい」や喜びを抱き、自分なりに一歩ずつ進んでゆこうと思えるようになっていただくことです。就労B型だと工賃が発生し、それはとても大切な要素ですが、私たちが一番に考えるのは利用される方ご本人が「やりがい」や誇りをもてるようになることです。

そしてそれらは「自分で選ぶ」という要素がないと成り立ちません。

もちろん、前後校では枠組みとして作業の内容はある程度決めています。前後校ではナーシンググループ内の仕事を細分化して作業に落とし込んでゆきます。

事務作業であれば書類の選定や必要事項の書き込み、ファイリング、データ打ち込み、身体を動かす現場作業であれば各種の清掃業務や、施設の体制上可能な児童との関りや地域の清掃活動など、色々なことがどんどんできます。同じグループ内だから生活介護・就労B型の職員の他にも顔なじみになった職員や児童がいるので安心できるというメリットもあったりします。

  

しかし、一人ひとり強みや弱みは異なるので、行なう作業は個別支援計画作成の際にご本人と一緒に決め、取り組みうまくできたらそれが分かるように専用のシートを使って「見える化」します。  

内職は候補はありますが、それが利用する方々にとって「やりがい」のあるものになるかは別なので、あくまでも皆にとって価値があれば内職は取り入れるスタンスでいます。

  

作業だけではなく、余暇も同じ考えです。

前後校にはシャワー・ド・バスやスヌーズレンといった目新しい設備・機器がありますが、あくまでもそれは表面的なものです。

  

例えば食事です。

前後校では食事の盛り付けも職員と利用される方で一緒に行ないますが、木製のお皿を使います。食事中には音楽も流し、ティータイムも設けます。

これは「ちょっとした工夫」ですが、しかしそうした「ちょっとした工夫」が日々の生活の「生きがい」につながることは多々あります。お庭に小さな畑を作り、簡単な栽培をしたりすることも予定していますが、こちらも極論を言えば方法は何でもよいのです。

何を目指し、そのためにどうするかの相互の関係で、いくらでも可能性は広がります。

 

ナーシングサポート前後は、利用される方一人ひとりが「生きがい」や喜びをもてるために方法は柔軟に常に検討してゆくスタンスです。

今は法人内の作業と工夫した余暇の充実が中心となっていますが、事業として目指すもののために、必要なことは「仕方ない」と諦めるのではなく「どうしたらできるか」で行なってゆきます。